普段は穏やかな海も台風が来ると豹変します。
そんな危険な海をフィールドにするサーフィンには厳しいルールがあり、昔からそのポイントを愛する先住者、更に昔からそこに住む生き物がいます。
サーフィンは初心者にとって一歩間違えると危険な事だらけです。
1.台風
毎年ニュースになるサーファーの水難事故。
時期はやはり台風シーズンです。
台風が北緯20度線を超えるとグランドスウェルが入ってきます。
遠い海では海は荒れ狂っていますが、まだまだ距離はあるので海岸沿いは落ち着いている、と思いきやパワフルなセットが入って来て波待ちしているサーファーたちが一気にアウトにパドルしだすが間に合わず一掃される。
波は1度でおさまらず、続けて2度3度4度と来る。
土用波です。
中上級者にとっては面ツルでパワーもあり、待ってました!のパキパキウェーブ、サーフィン業界のお祭り的要素がありますが、初心者にとっては危険極まりないものなのでまさに地獄絵図。
台風の距離が更に近くなってくるとセット間隔は更に短くなり、サイズもアップ、更にセットの倍位あるセット、お化けセットも入り出します。
急激な変化がよくあるので、台風の時は特に注意が必要です。
サイズが上がればその高さから振り落とされた場合、鞭打ちになったり、パワーや水の量も違うので揉まれる時間も通常の倍以上になります。
掘れた急斜面な波の場合、リップインパクトの破壊力も格段に違ってきます。
海に到着してもすぐには入らず、少しの間波をチェックしましょう。
普段でも波チェックは当然必要です。
流れはどうか、乗れているか、自分の体調は万全か、対応可能なサイズかなど、岸で見るサイズより実際入るとワンサイズ大きかったりする事は初心者の頃はよくある話なので気を付ける所です。
2.カレント
サイズアップしてくるとこれまた危険なのがカレントです。
海には川と同じく流れがあります。
打ち寄せる波が戻る時に合わさって一つの流れになります。
それがカレントです。
カレントに逆らってパドルしてもプロサーファーですらその流れには勝てません。
カレントは沖に向かって流れているので、岸に向かうのではなく、岸に沿う形でパドルし、カレントを避けてから岸に向かうようにしましょう。
もし、どうしようもなくなり、命の危険を感じた場合は決して恥ずかしがらずすぐに大声で助けを求めて下さい。
テトラ付近や河口、強いオフショア時に強いカレントが発生しやすくなっています。
波が割れておらず、ゴミや泡が集まっている場所がカレントになっているケースが多いです。
サーフィンでよく耳にするこの危険なカレントに初心者が流されるという事故は多いのでは特に注意が必要です。
リーフでサーフィンする場合もビーチとは違い、ボトムが岩になっているので、波にまかれて岩場で怪我をしたり、ウニがいたりするので要注意です。
3.海洋生物
ウニと言えば海洋生物も危険です。
温暖化の影響で暖かい海にいたサメがどんどん北へ北へ来ているようなので、シャークアタックにも気を付けましょう。
一人の時に襲われやすいようなので、波がいくら良くても一人では入らないのが無難です。
サメは臆病なのですが、一人になれば寄って来る確率も高くなるそうです。
4.ルール
混み合っているポイントも注意が必要。
乗って来るライダーの邪魔をしてはいけませんし、サーフィン初心者が乗って来た場合、避ける技術がなくて突っ込んで来る可能性もあり大変危険です。
サーフィンで波に乗る時、一つの波に一人しか乗れません。
しかも波がブレイクするピーク側が優先です。
それをわきまえず、ドロップイン(前乗り)する事はルールとして間違いであり、大変危険。
ポイントにはローカルオンリーのポイントもあるので、そこも注意が必要です。
オープンになっているポイントにも昔からそのポイントを愛する地元のローカルサーファーがいるので、トリップ時などに一気に大勢で入るのは避けましょう。