サーファーにトレーニングは必要だとお話ししました。サーフィンでは持久力とともに、瞬間的に強いちからを発揮し、素早い動きをするための瞬発力を鍛えるトレーニングも大切になります。
そこで「サーフィンで大切な瞬発力を鍛えるトレーニング」についてお話しします。
1.瞬発力とは
瞬発力とは筋肉の力を瞬間的に発揮する力で、動的筋力を鍛えることによって高めることができます。
筋肉を構成する筋繊維は大きく分けて速筋(白筋)と遅筋(赤金)の2種類があり、白く見える速筋が瞬発力の源で、スタートダッシュやウェイトトレーニングのような無酸素運動で主に使われます。
陸上競技で言えば短距離走、跳躍競技、投てき競技などを思い浮かべてください。
2.サーフィンにおける瞬発力
サーフィンの上達のために瞬発力を鍛えるとどのような効果が得られるのでしょうか。
1.上半身の瞬発力
上半身ではパドリングですね。
体幹トレーニングで軸を鍛え安定したパドリングができるようになれば、次はスピードが必要になってきます。
ピークを追いかけ縦横無尽に動きまわり、何度も波の間を往復するためには持久力すなわち遅筋を鍛えることが大事ですが、テイクオフの瞬間に爆発的なパワーを生み出すためには瞬発力が必要で、速筋を鍛えることによって手に入れることができるのです。
波に乗れるか乗り遅れるかは最後のひと掻きがとても大切で、そのひと掻きのちからを生むのが瞬発力なのです。
2.下半身の瞬発力
刻々と変化する波の状況に合わせて華麗にサーフボードを操ることはサーファーの憧れですね。
波が次にどう変化し、どのようなアクションをするのかは、ある程度イメージをしておくものなのですが、波の動きはいつも気まぐれです。
そんな波に合わせ瞬時に状況を判断し、一瞬で最高のパフォーマンスを導き出すためにも瞬発力を鍛えるトレーニングが必要です。
3.トレーニング方法
瞬発力を鍛えるトレーニング方法にはどういったものがあるのでしょうか。
1.ジャンピングプッシュアップ
腕立て伏せ(プッシュアップ)でジャンプするというトレーニングです。
腕立て伏せを勢いよく行い、手が床から離れるようにジャンプするというものです。筋力がそこまでないという人は、膝を床についた状態で始めても構いません。
2.ジャンピングスクワット
屈伸(スクワット)の動きにジャンプを加えるトレーニングです。
足を肩幅程度に開き、胸を張り、背筋を伸ばし、手を頭の後ろで組みます。そのままスクワットと同じ要領で太ももが床と水平な状態になるまで腰を落としたら、床を蹴り上げジャンプします。着地したら続けて繰り返します。
基本のスクワットにジャンプが加わるだけですが、倍くらいハードになると思います。
3.まとめ
どちらも基本の自重トレーニングにジャンプを加えただけの単純なメニューです。
このジャンプを加えることで筋収縮速度をアップさせ、瞬時に早く動作することができるようになるのです。
筋トレによって筋肉を大きくすることはできますが、サーフィンを上達させるには、外見の大きな筋肉だけではなく、瞬発力、スピード、動作バランスなど総合的に強化しなければならないのです